だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

こたつ忘年会

 

時は年末、忘年会のシーズンである。

だが、外に出るのがとても億劫だったので、

友人を家に招き、こたつで忘年会を開いた。

友人はこたつに入るなり、こんなことを切り出す。

友 「何か足りないな。

やっぱりこたつと言えばあれだろ、あれ。

あれはないのか?」

私 「そう言うと思って用意しておいた」

友 「おお、気がきくな」

私 「はい、りんご」

友 「みかんだろ!み・か・ん!!」

だが、残念ながらうちにはりんごしかなかった。

 

友 「で、なんでこんなりんごあるの?」

私 「友達からもらった」

友 「どうせもらいものなんだ。

せっかくだから変な食べ方をしてみよう」

私 「どうやって?」

友 「壁にバンッ!って叩きつけて、それに群がる」

私 「カブトムシみたいだな・・・」

 

結局、りんごは電子レンジで

気が済むまで温めることになった。

気になるお味の方はというと。

私 「温かいりんごの味がする」

友 「温かいりんごの味がする」

りんごを温めると、温かいりんごの味がする。

1つ大きな発見をした。

 

友 「最近、1人でできる趣味を求めている。

何か良い趣味はないか?」

私 「貧乏ゆすり」

友 「ちょっと貧乏くさいな」

私 「じゃあ貴族ゆすり」

友 「もっとさもしい感じになった」

 

ところで、年が明ければ

すぐにセンター試験が始まる時期だ。

私 「それにしてももう受験の季節だな。

受験生たちを見ていると、

身が引き締まるような気分になる。

やっぱり人間シャキっとせねばな」

友 「さすがこたつでゴロゴロしている

人間が言うと説得力があるな」

私 「そうだろう。

ああー、全てが面倒だ。

立ち上がることさえできない」

 

あれこれ話している内に、

話は今日の核心、忘年会へと及んだ。

友 「せっかくの忘年会だし、

忘年会について考えよう」

私 「そうだな・・・。

忘年会というのは、忙年会とも言えるだろう。

そして忙とは、心を亡くすと書く」

友 「ほほう、それで?」

私 「何かうまいことを言おうと思ったのだが、

何も思いつかなかったのでこの話は終わりです」

友 「今日はいつもに輪をかけてやる気がないな」

 

私 「で、何か忘れたいことはあるのか、若人よ」

友 「忘れたいこと?

俺の輝かしい経歴には

覚えておきたいことしかないな」

私 「あー、はいはい。

もう十分忘れてるね。

忘年会やる意味ないね」

忘年会は終了した。