クリスマスが終わった。
終わってしまった。
なのに何故だろうか。
私のところにサンタは訪れなかった。
一体何故だ。
良い子じゃなかったからだろうか。
徳パワァが足りなかったのだろうか。
それとも、この前、調子に乗って
うちに人感センサーライトなんか
つけてしまったからだろうか。
確かにつけすぎたかもしれん。
そりゃ嫌だよな。
1歩ずつ近づくごとに、
40LEDの超強力ライトが
1つずつ灯っていくのだもの。
これではサンタではなく魔王だ。
もう少しサンタ受け入れ体制を
整えておくべきだった。
では、どのような準備が必要だったか。
将を射んとするなら、まずは馬から。
サンタを射んとするなら、
まずはトナカイからだ。
トナカイへの安心サポートが必要だった。
やはり草とか用意しておくべきだったか。
でも家に草の備蓄なんてないしなぁ。
あ、そうだ。
向かいの家のおじさんが
ガーデニングをやっている。
これでトナカイの受け入れ体制は万全だ。
次にサンタをどのようにお迎えするかだ。
やはり冷えた体を温めてあげるため、
温かいココアなんかを用意しておこう。
あとは湯船を張って、
入浴の用意もできれば、なお良し。
そうだ、サンタがバスタイムを
楽しんでいる間、
服の洗濯もやってあげよう。
あんな返り血でけがれた服は、
さっさと綺麗にしてあげなくては。
だが、これは容易な仕事ではない。
みんなもやったことあるだろうから
よくわかると思うが、
服にこびりついた返り血は
なかなか落ちないものだ。
長年の経験によれば、
1ガロンぐらいかかってしまうと
もうその服はお釈迦である。
というわけでサンタの服は処分だ。
GPS付きの真っ白な
囚人服を用意しておこう。
これなら脱走してもすぐに捕まえられる。
あと、たしかウサギとサンタは
さみしいと死んでしまうという話だ。
あらかじめ他のサンタを捕獲し、
常時備蓄しておく必要がある。
そのためには頑丈な檻と、
睡眠弾入りのハンターライフルが必要だ。
これは簡単である。
地元の猟友会に貸してもらえばいい。
これで準備は整った。
さぁ、サンタを捕まえにいこう。