だいたい日刊 覇権村

実益のないことしか書かない 毎日21時更新予定

三大クレーム

前回の続き。

 

buddha01.hatenablog.com

 

同じスラムで育った友人、スラ友のH氏との五反田探検の続きだ。

翡翠博物館を出ると、

我々の目の前にはミャンマー大使館があった。

そして看板にはミャンマー語で何か書かれている。

H 「あ、ミャンマー大使館だ!

俺の同僚で英語も話せないし、

日本語もおぼつかないが、

ミャンマー語だけできる人がいる。

以前彼がこの文字を見て、

ミャンマー大使館と解読してくれた。

俺もミャンマー語習おうかな」

私 「ああ、ミャンマー語は大事だな。

ふいにミャンマー大使館が現れても

とっさに対応できる」

 

その後はまたぐだぐだと歩き始めた。

暑かったので友人のH氏はミルクティーを、

私は水を買った。

友人はミルクティーをおいしそうに飲み始めた。

私 「そのミルクティー

砂糖の含有量は小さじ12杯分ぐらいだ。

そしてそれは心筋梗塞のリスクを・・・」

H 「待て、なぜそれを今言った?」

私 「いや、必要な情報かなと思って」

 

友人は不動産関連の仕事をしていた。

私 「奇遇だな、私も自称1級不動産鑑定士だ。

不動産のことなら何でも聞いてくれ」

H 「ああ、じゃあ自称専門家から見て

あの建物はどう思う?」

私 「うん、家だな」

H 「えっ、終わり?」

私 「プロならそれで通じる」

 

H 「建築用語でツー・バイ・フォーというのがあるよ。

2インチ×4インチの骨組みを組み合わせる工法なんだ」

私 「私もそういうのを知っている。

コンポジション・シー・フォーってやつだ」

H 「それは一体何?」

私 「プラスチック爆弾だ。

スプーン1杯で乗用車ぐらいなら軽く吹き飛ばせる。

家の爆破処理に使ってくれ」

H 「取り寄せなきゃな」

 

H 「クレーム担当なので、日々散々な思いをしている」

私 「今年に入ってからの三大クレームって何だろう?」

H 「そうだな・・・1つ目は、

空き地で子ども達がボール遊びをしていてうるさい

というクレームがあった。

なので、『ここでボールで遊ぶのは禁止』

という看板を立てた」

私 「効き目はあった?」

H 「ボールでボッコボッコにしてあった」

私 「子ども達からの警告だな。

遊ばれているのはボールではなく、

お前達なのだという」

 

私 「他にはひどいクレームはあった?」

H 「もういくらでも。

昨日は『タンポポの綿毛が私に飛んでくる!』

ってクレームがあった。

仕方なくタンポポを引き抜いてきた」

私 「真っ昼間にスーツ姿でタンポポを摘んでいたわけか。

凄まじい不審者感だな・・・」


私 「3つ目は何だろうか?」

H 「7階からパンを落として鳩に餌をやるおばさんがいた。

同僚達との間では、春のパン祭りと呼ばれている」

私 「とんだパン祭りだな」

しばらく歩いていると、

「この先ザ・フォレスト」という看板があった。

H 「とりあえず定冠詞つけときゃいいだろ的な投げやりさを感じる」

私 「これは惹かれるものがあるな。

行ってみよう」

 

しかし、行けども行けどもザ・フォレストは現れない。

H 「見当たらないがここはフォレストなのか?」

私 「むしろもう我々がフォレストなのかもしれん」

 

しかし、そのあと少し行くとザ・フォレストにたどり着いた。

H 「森だな・・・」

私 「ああ、ただの森だ」

 

ザ・フォレストには2つのルートがあった。

そのまま地上を進むルートと、

高台から森を見下ろせるルートだ。

友人はそのまま地上から行くルートを進もうとした。

私 「待て、あの茂みにゲリラがいるような気がする。

まずは高台から状況を確認しよう」

H 「お前もベトナム帰りなのか?」

 

しばらく森を楽しんだ後は、また五反田を散策した。

しかし、また翡翠博物館に戻ってきてしまった。

私 「まだザ・フォレストなのかもしれない」

H 「ここは迷いの森だ」

その後、なんとかザ・フォレストを脱出できた。

 

しばらく歩いていると教会にたどり着いた。

H 「ちょっと礼拝していこうか」

私 「ああ、そうしよう。

救われたい。

進むべき道を示して欲しい」

我々は教会の扉を開けようとした。

しかし、扉は堅く閉ざされていた。

H 「神様、ダメだってよ」

私 「我らに救済はないのか」

こうして迷える子羊達は

再び人生の迷いの森へと戻っていった。