月島のもんじゃ焼きを食べてきた。
月島もんじゃとは何か?
月とつくからには、きっとアポロが
月から持って帰ってきた
ものなのだろう。
だから、あのような地球の物とは思えない
滅茶苦茶な外見なのかもしれない。
そんな地球外食物と
戦わなければならないのに、
店員に渡された装備は
あまりに貧弱なものだった。
このミニへらであんな攻撃力高そうな
モンスターとやりあわなければならないのか。
厳しい戦いになりそうだ。
なんか足がいっぱいあって強そう。
そういう適当な理由からだ。
実物はこんな感じだ。
これがあのダンプカーに轢かれたみたいに
ぺったんこになるなんて想像できない。
一体どうすればいいのかと不安だったが、
幸い女性の店員が焼いてくれた。
テキパキと鮮やかなお手並みだった。
私 「うまいですね!」
店員 「ありがとうございます!!」
私 「やっぱり修行されたんですか?」
店員 「ええ・・・(表情が少し陰る)」
私 「大変だったんですか?」
店員 「やり方を教えられるのは、
研修の最初の3時間だけでした。
あとは実戦で覚えて来いって、
翌日からいきなり本番です」
私 「(ロシアの動員兵みたいだな・・・)」
店員 「私、友達ともんじゃ焼き食べに
行くことがあっても、絶対自分は焼きません。
友達にやらせます。」
私 「プライベートの時に
仕事なんてしたくないですもんね」
店員 「そうなんですよ!」
私 「(もんじゃ焼きのバイトって辛いのかな・・・)」
このもんじゃ焼きは、
店員の苦労の結晶なのかもしれない。
よく味わって食べた。
実に美味だった。
店員の犠牲の価値はある。
さて、もんじゃ焼きの魅力は、
何といってもおこげだろう。
最後に鉄板にへばりついた
おこげがおいしいと聞く。
苦戦していると、今度は男性の店員が、
「ボクがやりましょうか?」
と、代わりに取ってくれた。
こちらも鮮やかなお手並みだった。
私 「すごいですね!さすがはプロ!」
店員 「ありがとうございます~!
あ、お客さん、英語できるんですか?
それ、洋書ですよね。
いいなぁー、ボク将来オーストラリア行きたいんですよね。
勉強のコツって何かありませんか?」
私 「いや、私は英語全然ですよ~。
ただオーストラリア英語はかなりなまりがきついので、
イギリス英語やアメリカ英語で習わない方がいいです。
オーストラリア英語に絞った教材で勉強するといいですよ!
それにしてもなんでオーストラリアへ行きたいんですか?」
店員 「そうですね・・・(遠い目になる)
オーストラリアは時給高いらしいじゃないですか。
あとワークライフバランスもよくて・・・
僕はそういうところへ行きたい・・・」
私 「(もんじゃ焼きのバイトって辛いのかな・・・)」
このおこげも店員の苦労の
結晶なのかもしれない。
おこげはほろ苦い味がした。