風邪を引いた。
急激な温度変化でやられたようだ。
病院へ行こうと思ったが、
どうも体調が悪いので、
今日はやめておいた。
風邪になったら病院に行く元気がなく、
元気になったら病院に行く必要がない。
風邪のパラドックスだ。
そういうわけで、病院へ行くという選択肢は消えた。
こんな時に頼りになるのがバファリンだ。
バファリンには多くの効能がある。
特に発熱、頭痛、腰痛、筋肉痛、苦痛、
陣痛、普通、文通によく効く。
熱を早く下げたいし、
文通もうまくなりたいので、
私はバファリンを飲んだ。
ところで、バファリンには様々な飲み方がある。
多くの人はストレートで飲むが、
水割りやお湯割り、ロックやソーダ割等もある。
しかもそれだけではないのだ。
よく
「バファリンの半分は優しさでできている」
と言われる。
だが、やさしさなどいらない。
ただ治してくれればそれでいい。
そんなビジネスライクな関係を
バファリンに望む人もいる。
そういう人ならバファリンを半分に割って、
やさしさじゃない方を選ぶのがベスト。
普段だったらやらないが、
今回、私はこちらを選んだ。
早急に治さなければならない用があるからだ。
だが、私はうっかりミスをしてしまった。
やさしさの方を選んでしまったのだ。
私はやさしさに包まれ、
幸福な気持ちで病床に伏した。
風邪は少しも治らなかった。