私は昔から寝つきが悪い方だ。
だから、眠るために
様々な方法を試してきた。
今日はその1つを挙げよう。
古典的だが、羊を数える
という方法がそれだ。
羊が1匹、羊が2匹と
数えていく アレである。
こういう言い伝えというのは、
意外とバカにできない。
試す価値は十分にある。
こうして子供の頃の私は、
実験を行った。
電気を消し、布団に入団後、
羊を数え始めた。
羊が1匹、2匹、3匹・・・
そして、しばらくすると、
30匹、40匹と増えていった。
それにしても退屈な作業だ。
エンタメ性に欠ける。
こんなつまらない
ことを続けていたら、
寝てしまうではないか。
私は作業にアレンジを
加えることにした。
最初の方は、羊を黒くしたり、
茶色くする程度で収まっていた。
しかし、ゴールド羊や、
レインボー羊が登場するまでには、
そんなに時間はかからなかった。
エメラルド羊やプルトニウム羊が
出る頃には、もはや原型は
留めていなかった。
メカ羊やバイオ羊、
反物質羊や対戦車羊など、
様々な品種改良が行われた。
1匹ずつ出すのが面倒な時は、
ダース単位で取引された。
疲れてきたら、ジンギスカンや
ラム串という形で飛び出し、
速やかに食べられた。
こんなことを繰り返し、
気づけば脳内に
産業廃棄羊達の山ができていた。
最終的に6323匹あたりで
朝を迎えた。
この方法はおすすめしない。