駅弁を食い、新幹線に乗り、
ついに京都駅へ至った。
駅にはこんなものが貼ってあった。
旅は、線!
さすが京都。
禅の心を感じる。
意味はよくわからない。
我々は旅という名の線分AB間を
往復し続ける哀れな点Pに過ぎない、
ということだろうか。
京都駅を出ると、すぐ目の前に
巨大な建築物が見えた。
これが京都最大の卒塔婆か。
建立は平安遷都から、
しばらしくしてからだった気がする。
たしか空海が唐から学んで
持ち帰ったものだ。
卒塔婆は夜になると七色に輝き、
伝統の町 京都を守護する
由緒正しき仏具である。
我々が泊まるホテルは、
幸い駅からすぐ近くだった。
ホテルの真名はまた後日明かそう。
陰陽師に
「今はその時ではない」
と止められた。
なので、ホテルのことは仮に
ホテル ニルヴァーナ・スートラと呼ぼう。
ホテルに一歩入ると、
目の前には楽園が広がった。
アメニティバイキング。
これは嬉しい。
乳液も化粧水も飲み放題だ。
私は夕食用、夜食用、おやつ用に
それぞれ3つもらった。
これで初日は何とかなる。
そう思い、私は京都旅行に
明るい展望を抱いた。
つづく