先日、面白いものを手に入れた。
水につけておくと大きくなるおもちゃだ。
増えるワカメタイプである。
懐かしい・・・
よく子供の頃に遊んだものだ。
久々に童心に返り、楽しもう。
説明書にはこう書いてあった。
「水に入れると大きくなるよ!
1日経ったら見てみてね!
お楽しみに!」
私 「わー、楽しみだなー!」
私はお椀に水を張り、イルカを入れた。
今はまだ100円玉サイズだ。
だが、明日には500円玉サイズぐらいには
なっているかもしれない。
私はお椀を部屋の隅に置き、
楽しみに翌日を待った。
・
・・
・・・
2週間後
私「何か・・・私は何か大切なものを
忘れている気がする・・・」
「あっ・・・(部屋の隅のお椀に気づく)」
私は恐る恐る近づき、
中を覗き込んだ。
イ、イルカさん・・・
その体は際限なく肥大化し、
手の平に匹敵する化け物と化していた。
そして恨めしそうな目でこちらを
睨みつけてくる。
私はそっと目をそらした。
イルカさんを水から取り出し、
その魂を鎮めるため部屋の高みに祀った。
そしてこの部屋の主となった海獣は、
人類が再び過ちを繰り返さぬよう
今も人間を見下ろし続けているという。