過去最高レベルの台風が来る。
しばらく前からニュースになっていた。
無論私も知っていた。
「これはかなり前もって
準備しておく必要があるな・・・」
私はそう思い、イメトレをしたり、
野菜ジュースなんかを飲んでいたら、
一週間が経ってしまった。
もう台風も迫っている。
そろそろ食料を買いに行った方が良さそうだ。
そういうわけで、私は昨日、
備蓄食料を買いに行った。
前日になってしまったが、
当日準備するのに比べたらマシだろう。
私は用事先のスーパーで
買い物を済ませようとした。
すると・・・
おっと、いけない。
タイムスリップして、
崩壊直前のソ連に来てしまったようだ。
食料が何も無い。
あたりには飢えた老犬のような客が、
うろうろしているだけだった。
「何か食べ物ないかなぁ」
私も一緒にうろうろした。
しばらく店内を徘徊していると、
とうとう食べ物を発見した!
それはホットケーキミックスだ。
というかホットケーキミックスしか無ぇ。
だが、これさえあれば
ホットケーキには困らない。
ホットケーキがあるのに、
これ以上一体何を望むことがあるだろう?
私はホットケーキミックスだけを買って帰った。
そして迎えた今日。
家の中でゴロゴロしていると、
雨が次第に強くなっていた。
そして気づけば土砂降りである。
私は段々不安になってきた。
そうだ!こんな時こそホットケーキだ!
私はホットケーキミックスを取り出した。
そして外が荒れ狂う中、
鬼のようにホットケーキを焼いた。
すると不思議に心が落ち着いていくのを感じた。
私は外の景色を見ながら、
優雅に紅茶とホットケーキを楽しんだ。
だが、しばらくすると、
今度は暴風が吹き付けるようになってきた。
ビュウビュウと窓を叩きつける風。
私は段々不安になってきた。
そうだ!こんな時こそホットケーキだ!
私はホットケーキミックスを取り出した。
そして外が荒れ狂う中、
鬼のようにホットケーキを焼いた。
そして優雅に紅茶とホットケーキを楽しんだ。
夜になると各地の被害状況が飛び込んできた。
千葉ではまた停電も起きたそうだ。
もしかしたらライフラインが
止まるかもしれない・・・
私は段々不安になってきた。
そうだ!こんな時こそホットケーキだ!
私は電気やガスが止まる前に、
鬼のようにホットケーキを焼いた。
そして優雅に紅茶とホットケーキを楽しんだ。
そうこうしている内に、
台風は過ぎ去っていった。
こうして私はホットケーキのおかげで、
なんとか事なきを得た。
もしホットケーキがなかったら、
今頃危なかったかもしれん。
ホットケーキには感謝しかない。
「どんな災害もホットケーキがあれば大丈夫」
それが今回の台風で私が学んだことだ。