夜の帰宅最中、私は戦慄した。
壁にこんなおぞましい生き物がいたからだ。
ヒイッ!タランチュラ!
私は生命の危険を感じた。
私の旅はもうここで終わりかもしれない。
こんなとこならセーブをしておくんだった。
だが、落ち着いて見ると、
排水口から生えてるただの雑草だった。
なんだ、タランチュラではなかった。
私は安心し、なんとなく後ろを振り返った。
すると、そこには引きつった顔の女子高生がいた。
彼女の視線の先にいるのは、
夜道で突然悲鳴を上げながら
飛び跳ねた挙げ句、
ゆっくりと後ろを振り返った成年男性だ。
夏の夜の怪談であった。