暑い。
とても暑い。
なんという暑さだろうか。
家を出る時も、ドアを開けた瞬間閉めたくなる。
だが、こういう時のために、
私には秘密兵器があった。
それは日傘である。
あ、話してしまったので、
もう秘密兵器ではなくなってしまった。
いや、そんなことはどうでもいい。
日傘である。
私はお気に入りの日傘を
すでに買っていた。
Amazonで念入りに調べ、
評価も星4.5以上である。
色も真っ黒で私好みだ。
だが、それだけではない。
日光の遮光率は99.99%。
遮光的な私にはぴったりだ。
・・・UV?
UVってなんだ?
ということは、UVなら多分、
小型の攻撃ドローンとかだろう。
来たるハイテク戦にも対応した
即戦力な日傘ということだ。
きっと就活では大活躍に違いない。
※UVは紫外線(ultraviolet)の略だそうだ。
まぁ攻撃から守るという点では違いはない。
今日はそんな日傘を差して、
友人との待ち合わせ場所に向かった。
日傘の効果は絶大で、
体感気温が全く違った。
遮光率99.99%は伊達ではなく、
常に私の上には暗い影が差していた。
まるで中学の時の私のようだ。
まさに心身ともに冷えるような気分である。
さて、友人と会うなり
私は日傘を自慢した。
私 「どうだ、これが日傘だ。
いいだろう?あげないよ」
だが、友人はそんな私に嫉妬してか、
こんないちゃもんをつけてきた。
友 「お前の日傘、なんか汚れてね?」
まさか。
そう思いつつも私は日傘を確認した。
そして私は衝撃を受けた。
鳥のフンである。
私の心身の温度はさらに下がっていく。
これも日傘効果なのか?
意気消沈である。
だが、よく考えてみよう。
果たしてこれはただ悪いことだけだろうか?
もっと肯定的に捉えられるのではないか?
もし日傘を持ってなかったら、
どうなっていただろう。
まず、フンが直撃する。
そしてやる気がなくなって、そのまま即帰宅。
すると今日会う予定だった友人からは
白い目で見られ、悪い噂を流され、
SNSで拡散し、炎上。
そのまま私は社会の敵となり、
1人孤独に死んでいただろう。
それが日傘の尊い犠牲のおかげで
助かったのだ。
ありがたく思おう。
そう自分を洗脳しながら、
私はレビュー欄にこう付け足した。
日光、UV、鳥のフン 99.99%カット