この前の休日、友人の水田(仮名)と、
海へ漂流物探しに行ってきた。
今日はそのレポートだ。
当日、我々は入念な計画を組み、
合流することになっていた。
だが、
水田 「電車が遅れた」
私 「あ、乗る電車間違えた」
水 「我々はこうでなくてはな」
まぁ、こんな感じだった。
持ち物についても抜かりはない。
私は今日のために特別に
マジックハンドを持ってきた。
水 「また、頭のおかしい物を持ってきたな」
私 「ああ、自分の手は汚したくないんだ」
大切なのは見た目より実用性。
そんなこんなでなんとか海岸へ到着した。
さぁ、それでは漂流物探索開始だ。
私 「あっ、マジックハンドが・・・」
マジックハンドは突然の波に
さらわれていってしまった。
文字通り魔法のように
母なる海に還っていった。
私はいきなり出鼻をくじかれた。
海岸には当然だが、海水浴客がたくさんいた。
水 「カメラを持ってきたが、
盗撮を疑われないだろうか」
私 「我々の格好を見てみよ」
我々が手に持つのは、
バケツ、網、トングだった。
私 「これ、人間に興味あるような人に見えますか?」
水 「見えんな」
我々は安心して漂流物探しを行った。
以下、収穫物。
クラゲ
クラゲ(赤)
クラゲ(たくさん)
注:綺麗だが毒がある。
刺されると激痛が走るため、
絶対に触ってはいけない。
ボール
メガネ
サングラス
ヒーローのなれの果て
海のモンスター
サカナ
ヒトデ
山の幸
骨
ゲームだと必ず隠しアイテムがある水路
このパイプを抜いた者が
伝説の配管工になるのだ
貝殻
帽子
砂浜にめり込んだ人
なぜかやたら落ちてた。
調べてみると胃腸薬とのこと。
海、胃腸が弱いらしい。
水 「エリアによって、取れる物がだいぶ違うな。
ここはクラゲコーナー、こちらは海藻。
なぜなんだろう」
私 「多分すみわけじゃないかな。
『僕はここで死ぬね!』
『じゃあ僕はこっち』
みたいな」
こんな調子で漂流物探しを行っていたのだが、
よく考えてみると不審者以外の何物でもない。
親子やカップルが楽しく泳ぐ中、
我々は黙々と漂流物を漁っているのだ。
一体いつ通報されるかビクビクした。
だが、実際はそうはならなかった。
むしろ逆だ。
トングにバケツという我々のいでたちは、
ボランティアでゴミ拾いに来た人のそれだった。
こんな暑い中わざわざゴミ拾いをするなんて、
本当に見上げた若者じゃ。
そんな風に感心もされた。
我々は誇らしい気持ちになった。
クラゲとか、石ころとか拾ってただけだが。
最終的な成果としてはこんな感じだ。
まぁ、まずまずと言っていいだろう。
問題は帰りだ。
かなり波を浴びたので、
体がかなり潮くさくなってしまった。
霊長類から魚介類へ退化した。
きっと帰りの電車内では、
周りの人が嫌がるだろうな。
そんな風に思った。
なので帰りはずっと
「海の精霊です」
みたいな顔をして、
事なきを得た。
実際、みんなもそう思ってくれたらしく、
席を空けておいてくれたり、
混んでるのに大幅に距離を取ってくれたり、
とても気を遣ってもらった。
おかげで快適に帰ることができた。