前回のつづき
昼食を取った我々は、
ようやく秩父探検を始めることにした。
まずは駅の近くの観光案内所へ。
すると外人の方が係の人に
あれこれ尋ねている様子だ。
係員 「アッアッ・・・グリーン、オールグリーン!エンド!」
意味が分からない。
これには思わず笑ってしまった。
観光案内所で羊山公園の位置を確認し、
我々は出発した。
羊山公園とは、視界いっぱいに広がる
芝桜で有名な公園だ。
行けばきっと素晴らしい光景を
見ることができるだろう。
我々は期待を胸にしながら、
羊山公園へと歩き始めた。
しかし、地図で見るとすぐ近くのはずだが、
結構上り道が多くて遠く感じる。
友 「こんなに高低差があるなんて聞いてないぞ」
私 「都合の悪いことは隠しておく。
それが観光地というものだ」
途中、こんな張り紙があった。
ハチ注意。
確かに、周りには多くの人びとが
白目をむいて倒れている。
間違いなくハチの仕業だろう。
我々は襲いかかる殺人ビーや、
凶悪なヴェロキラプトルを避けながら、
慎重に公園へと向かった。
途中、アスレチックがあった。
これにはついつい遊んでしまった。
我々はまだ無邪気な子どもなので、
アスレチックにはブラックホールのように
吸い寄せられてしまう。
皆さんも気をつけて欲しい。
ひとしきり遊んだ後、
我々はようやく羊山公園にたどり着いた。
まず目に飛び込んで来たのは牧場だ。
恐らく羊山公園の由来となった
羊の牧場だろう。
見てほしい、このたくさんの羊達の姿を。
ちなみにここの羊は心が清らかな人にしか
見えないようになっている。
皆さんは何匹見えただろうか?
さて、それではいよいよ芝桜である。
さぁご覧あれ、この一面の芝桜!
・・・だった場所を。
花はとっくの昔に散り終えて、
今はただの芝生が見渡す限りに広がっていた。
そうか、先ほどの観光案内所の人は、
これを伝えたかったのだ。
芝桜の季節はとっくに終わった。
今さら行っても緑しかないのだと。
あたりを見渡すと、
どうやら我々と同じ失敗をしたらしい外人がいた。
外人は困惑しながら、
一体芝桜はどこにあるんだと話しかけてきた。
私は流暢な英語で答えた。
私 「アッアッ・・・グリーン、オールグリーン!エンド!」
つづく