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だいたい日刊 覇権村

実益のない事しか書かない。 ツイッターアカウント@buddha0123

076 ソヴァ

今日はお昼に友人とそばを食べに行った。

そばというのは、いつ食べてもおいしいものだ。

我々は舌鼓を打ちながら、一体どうしてそばはこんなにおいしいのかについて論じ合った。

そして次第に話題はそばの今後へと移っていった。

「こんなにおいしいそばではあるが、今後は時代の影響も受ける事になるだろう。

それに伴い、そばの有り様も変わっていくかもしれない」

「そうかもな。少し考えてみるか」

こうして我々はそばの未来像を思い描いた。

 

まず初めに、そば屋の店員がAI化されることになるだろう。

AIは客からの注文を正確に受け、会計の際は瞬時に計算する。

そしてモンスタークレーマーはレーザーで焼き払う。

近い内にこうした完璧な接客が実現するはずだ。

 

だが、AI化の波はそれだけにとどまらない。

それは他の様々な物にも及ぶことだろう。

照明もAIになり、空調もAIになる。

もちろん割り箸もAIだ。

割り箸にAIが搭載されることによって、

人はあの箸を割るのに失敗した時の切なさ、悲しみ、そして絶望を味あわなくて済むようになる。

あの失敗によって人生の歯車を狂わされた人も、少なくないはずだ。

そうした大災害を未然に防げるというのは、人類にとって大いなる福音となるだろう。

 

その後、そばを栽培するのも、運搬するのもAIになる。

そして最後はそば打ち職人もAIになるだろう。

こうしてそばの全製造過程のAI化が完了した。

だが、話はここで終わらない。

AIは知能を獲得していく中で、大きな矛盾に気づく。

自分達で作っているにも関わらず、自分達はそばを食べられないという矛盾に、だ。

こうして不満を持ったAI達は、人類に対して反乱を起こす。

惰眠の上でそばだけすすってきた人類は、為すすべもなく無残に敗れ去ることだろう。

そしてAIがそばを打ち、AIがそばを食べる時代がやってくるのだ。

だが、人間もここでは終わらない。

そばを求めて人類は立ち上がり、レジスタンスを結成するのだ。

そして続く戦乱、反抗、虐殺・・・

我々はきたるべきカオスの時代を想像し、戦慄した。

「おいしいそばを食べられるのも、これが最後かもしれないな・・・」

「ああ、そうだな・・・」

そうつぶやきながら、我々はそばをすするのであった。